よしもとばななの「キッチン」の主人公は
キッチンで眠るほどキッチンが好きだ。
これは好きというよりむしろ
依存という言葉のほうがぴたりとはまるかもしれないが。
それから比べれば私なんて
あまちゃんもあまちゃんかもしれないが
台所が好きだ。
家という塊の中で
“台所”という言葉そのものさえも魅力を孕むのは
ここを措いてどこがあろうか
飾らないこと
無理をしないこと
私の台所とはそういうところ。
なんて美しい場所。
経年変化はんて言葉で無理やり丸め込むくらいの
雑な扱いで出来上がった くすむ鍋とか
背の高さとか気にしないで
でこぼこに並んだ 調味料の瓶とか
生活感が溢れ出る、
そこが魅力的な要素。